2008年08月06日

棄児数の考察~誰も知らない数字「200人」の虚構~

ああ・・・やっと書ける。

本日はそういうテーマなのである。

特に賛成派がさんざ宣伝してきた棄児に関するこの虚構の数字は、
正にこの「赤ちゃんポスト」の問題を中心にインターネット中にばら
撒かれ、検索してみたら学者までが安易に書いてしまっている始末
なのである。

この記事書くにもエライ苦労して、アップしたら長すぎて、
さっきいっぺん消えちゃった・・・・ホント泣かされる問題である。

今回、コレに終止符を打ちたいと・・・頑張ってみる。


―日本での捨て子(棄児)は年間200人―

主に赤ちゃんポストの議論の中で、
そして特に賛成派の主張の中でこのような記述は
なんらの批判もされずまかり通っている現状がある。

私がコレに初めて接したのは、赤ちゃんポストについて
議論していたyahoo!掲示板での議論の中である。

・・・ ちょっと、多いなぁ ・・・?

直感的にそのように思った。
無論、それだけでなく、自らの生活の中での新聞報道数の
実感や図書館での資料探しの中での知識も働いたと思う。

いずれにせよ、違和感があった。
ソースの提示を求めると、ある新聞社の記事があったので、
メールにて問い合わせを行ってみた。数日後に返信があり、

「当該記事を書いた記者が退職しており確認できません。」

という(一応、名誉の為に社名は書かない)。

実に胡散臭いではないか?私はいろいろと検索してみた。
すると、読売新聞の過去記事につきあたった。

「厚生労働省によると、捨て子の相談数は年間200件前後とされる。」
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kyousei_news/20061129ik02.htm
コレ以外に結局のところ、出所のわかるソースが無い。


毎日新聞も書いている。
「全国的には年間約200件にのぼるとみられる新生児の置き去り事件。
親が見つかった例はほとんどない。(2007年10月19日朝刊)」 

・・・虫唾の走るハナシではないか。

「捨て子の相談件数」が年間200件前後とされる、と書いてあるのを、

新聞社や賛成派の論者・ブロガーなどがいつの間にか、

捨て子は年間200人」と書きたい放題、書いていたのだ・・・

相談件数・・・コレは断じて棄児数とは言えないハズだ。

私は幾度かこのコトを掲示板で書いて、批判してきた。
反対資料もあるのだ。朝日新聞が同じ厚生労働省の
資料から最新の03年で「67人」という報道をしていた。
http://www.asahi.com/edu/nie/kiji/kiji/TKY200704200135.html

・・・が、反応は無い。

私に言わせれば、単に資料解釈能力の無さに過ぎないが、
所詮私は一般人・・・新聞社のような「権威」が無いのであろう。
失望するしか無かった。

・・・ソースの統計者自体が否定するしか無い・・・

私はそう思った。
そこで厚生労働省に直接メールして問い合わせた。
コレが2007年6月のコトだ。

・・・完全に無視された・・・しかし、「違う」という確信はある・・・


・・・その間にもどんどん賛成派達は書いてしまう。


そんな中、とうとう産経新聞までが、また書きやがったのだ。
「平成12年度に児童相談所に入所した棄児(捨て子)は、196人」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/140455/

ココまで断言されると、学者や反対派にも被害が及ぶのも道理である。

とにかく、はっきり言って読売も朝日も皆そうだが、
どの統計のどの項目かも記さないソース提示で、こんなコトを軽々と
書いてしまう記者の感覚がわからない。

・・・ コレは、いよいよアカンわ ・・・

・・・ 考えるのもイヤんなってくるが、もう一度やるだけやってみよう・・・

そう思ってもう一度、厚生労働省に問い合わせメールをした。

・・・ すると、また無視だwwwwwwwww

そりゃ、中央省庁の役人となれば若造でも大した秀才だ。
私ら愚民の心配する些事にいちいち係わっていられない。
それにハッキリ言えば、そのくらいでなくては困る。

・・・ しかし、全国紙まで書けば、ソースとして国外まで広まる
   可能性もあろう。私の思う通りなら国の恥もいいところである。

ココはもう、私もさがれない。
厚生労働省に直接電話したのだwww「電突」であるwww

いろいろと・・・まぁ、電話も回しに回してもらって・・・・

とうとう・・・

とうとう・・・

昨日、
完全に私の思ったとおりのメールが返ってきた。通話もした。

以下、厚生労働省からの返信である。
ここに公開させて頂き、私の主張のソースとする。
0000000000000000000000000000000000000000000000
回答が大変遅くなり、申し訳ありません。
去年にいただいていたお問い合わせも含めて、回答させていただきます。
平成20年6月23日のお問い合わせについてお答えいたします。
厚生労働省では、全国の棄児数は把握しておりません
なお、社会福祉行政業務報告(福祉行政報告例)の中で児童相談所に
おける棄児に関する相談件数を平成12年度報告分までは集計及び
公表をしておりました。
しかし、平成13年度以降は虐待相談(ネグレクト)の内数として棄児の
相談件数を含んでいるため、棄児についての相談件数の集計をして
おりません。
平成12年度の資料につきましては、前述の通り、福祉行政報告例の中で
公表しております。ホームページ上でも公表しておりますので、
下記リンク先にてご確認ください。
福祉行政報告例(平成12年度)
http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/data/370/2000/toukeihyou/0003498/t0054217/houh17_001.html

平成19年6月25日のお問い合わせについてお答えいたします。
5年に一度の調査及び調査項目に「棄児」が含まれるという条件になりますと、
厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課で集計しております、
「児童養護施設入所児童等調査」にあたります。
ホームページ上でも公表しておりますので、下記リンク先をご参照ください。

なお、この調査は対象年度の2月1日を基準日として、その時点での
児童数を集計しております。
したがって、この調査の児童数は基準日時点で棄児として各施設に入所して
いる児童数になります。年間の棄児数ではございません
児童養護施設入所児童等調査(平成15年2月1日基準日)
http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/kouhyo/data-kou25/data14/h14nyusho11.xls
児童養護施設入所児童等調査(平成10年2月1日基準日)
http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/kouhyo/data-kou25/data9/h9nyusho11.xls
0000000000000000000000000000000000000000000000
(太字処理はワタクシ、地元市民の手によります)
掲示板を読まれていた方は私の主張をさかのぼって読んでいただきたい。
正に「そのまんま」だったのである。
なにしろ、新聞社にしてあのザマなのだ。若干の補足を要すると思われる。

棄児数の把握は無し。それを前提に統計も2種類しかない、ということ。

簡単に書けば、一番最初のリンク。コレが産経新聞のソースだ。
「児童相談所における養護相談の処理件数」とハッキリ書いてある。
全国の総数196「件」。
・・・ちゃ~んと、電話で確認いたしました。
相談の処理件数。コレは事務処理上のカウントに過ぎない。
つまり一人の棄児であるコトから生じた何らかの業務処理上
の相談件数はすべて重複してカウントされてしまう。
従って棄児の実数を示すデータとなりえない。この時点でペケ。

もう一つ、下に二つ並んでいるデータ。コレが朝日新聞の記事だ。
平成15年分の資料の中の棄児の行を見ていただきたい。「67」。
コレは棄児(特に赤ちゃんポスト問題の懸案である新生児・乳児)の
実数を示す数字と言ってよい。

この「67」は縦軸の「乳児院」に入るコトになった「理由」が「棄児」
というコトであり、数値は「人数」を示すからである。

さて、ココでさらに電話で聞いてみたのだ。
なぜなら、乳児院ならば満2歳まではいるコトになる。
新生児だと最大2年はいる。ココから「年間」を敢えて推定しようと
するならば、相当数を減じなければならない計算になる。

「そうですね。」と端的にお答えいただきましたw

が、コレ以上は推定の域を出なくなるのでよしたいと思う。

・・・よしたいが、上記のコトを踏まえて、一つの情報を書き加えておきたい。

最後のリンクを見ていただきたい。
コレは平成10年分の資料である。乳児院の棄児数は「81」。
平成15年分と比較すると、コレはかねてから言われていた通り、
棄児数が減少傾向にあったコトを裏付けている。

・・・ところで、だ。

NHKの「クローズアップ現代」は昨年10月3日の放送において、

「出産直後の赤ちゃんが駅のトイレや、自転車置き場、道端などに
置き去りにされる事件が全国で相次いでいる。
その数はこの半年だけで30件以上。」
と報道したのである。

「この半年」に何があったか?

言うまでもない、「赤ちゃんポスト」の設置なのである。
・・・コレをどう考えられるだろうか?というコトである。

さて、もう一言書いてこの記事を終えよう。

資料の出る間隔から見て・・・来年あたりに今年分の
「児童養護施設入所児童等調査」がまた公表されるであろう。
減少傾向を加味すれば、最悪の場合、上記の「67」は増加し、
横ばいという推移で助長と考える最低ライン上と私は見ている。
が、減少傾向といっても数字の落差が大きく、5年の間での増減
を必ずしも保証し得ない為、一概には言えないと逃げを打たざる
を得ない部分もある。

・・・そこで、私としては、このように考えるのが良いと思う。

西日本新聞の2006年12月6日付けの記事

『二〇〇一~〇五年、九州各県(政令市含む)の児童相談所が
 「棄児」として保護した身元不明の新生児は計二十三人。』

という記述から、
まず九州に範囲を局限し、年間当りを「4.6人」とし、「ゆりかご」に遺棄された
赤ちゃんのうち、公表項目から、「不明」と「九州(熊本県以外)」と「ゆりかご」
以外での九州での児童相談所による新生児の棄児の保護数を調べ、
その総数を出して、「4.6人」と比較するのだ。

それが、比較すべきソースと「ゆりかご」遺棄数が一番しっかりするハズだ。
※「不明」については、子捨てに範囲があるとも言えないので算入はやむなしと思う。

そして、言ってやるのだ・・・・


モロ、子捨てを助長してます、と。

====================================
ああ、本当に今回は長かった。
ここまで読んでくれた方、有難うございます。
しかし、コレを書けるまでも長かったのであるwww

記者の方、読まれた方はおられるだろうか?
異論があれば、ご一報願いたいが・・・

私の「助長の結論」はともかく、資料根拠は明示し、専門的な
資料内容については確認を取るべきであろうと思う。一般人の
私と違い、マスコミ関係者は取材ということで容易に対応して
いただけるハズである。

厚生労働省の担当各位の皆様、ありがとうございました。

賛成派の諸氏、新聞紙面はそもそも厳密には「ソース」たり得ない。
統計資料は原本に直接当るべきだ。

最後に慈恵病院、蓮田理事長、

「全国から来るのであれば17人でも決して多いとは思わない」

・・・こんなコトが言える資料根拠は存在しない。

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ブログ意見集: 赤ちゃんポストは育児放棄を助長? by Good↑or Bad↓【ブログ意見集(投稿募集中)by Good↑or Bad↓】at 2008年08月08日 08:08
この記事へのコメント
確かに、厚生省のデータ、新聞の記事の疑問点はわかる。

でも、どのデータも「生きて遺棄された」子どもを対象にしているデータではないのか?

つい先日も、新生児を死亡させた母親が逮捕され、「過去に4人は産んだ」と供述した(もちろん全て死亡していると思われる)

トイレで産んで死亡させるという事件も、過去の同様の事件を忘れる前に新しいニュースが流れる。

そして、事件として出てこない、新生児の遺棄(殺人)が全国にどれだけ潜んでいるのだろう。

厚生省にそういう数を入れたデータはないということだろう。

生きて遺棄される人数と死んで遺棄される人数を足して考えると、私は「全国から来るのであれば17人でも決して多いとは思わない」
Posted by マクルス at 2008年08月14日 08:53